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「ああ、そういうこともあるよな」

「何事も知ってしまったら」(宗方コーチふうに) – 佐々木正悟ブログメモ

自分はかつて、この仕事を始めてしばらくの間、この事実を知らなかった。倉下さんは、最初から知っていたのだろうか。

さて、どうだっただろうか。一般教養的に知っていたことはなさそうだ。しかし、作家が作家業について書いた本は読んでいたし、そこで触れられていた可能性もゼロではない。この仕事をする前から知っていたことも一応はありそうだ。

もちろん、自分がこの仕事をやりはじめてから知ったということも十分ありえる。どちらにせよ、よく覚えていない。つまり、私の中ではたいしたことではない、ということだ。だから、あっさり記事で触れたし、別に深みにも嵌り込みはしなかった。

私はナイーブさについて大きな欠落を抱えているのかもしれない。あるいは単にビジネスライクに物事を処理することに慣れているのかもしれない。そういうシステムがあり、そのシステムに依った体制がある。ただ、それだけという認識だ。でもって、そういう話はたぶんどこにでもあり、珍しくもない。「ああ、そういうこともあるよな」ぐらいの感覚でしかない。

もし、一冊の本を作り出すために、賢者の石を作り出すのと同等の犠牲(『鋼の錬金術師』参照)が必要であるならば、さすがに私もナイーブな感情を抱いたかもしれない。でもって、それは闇の話でもある。でも、まあ、そういうことはないわけだ(私が真なる裏事情を知らない可能性はある)。

私は結構いろんな物事を「ああ、そういうこともあるよな」で処理している。それはたぶん、あんまり世間に対して期待とか希望とかそういうものを持っていないことの裏返しなのかもしれない。だとすれば、やはりナイーブさに大きな欠落を抱えている、ということなのだろう。

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