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『最新トレンドから導く 手帳テクニック100』(舘神龍彦)

想像されるような「手帳術」の本とはやや毛色が異なるかもしれない。

少し上の視点から、「手帳」及びその使い方が解説される。基本的にはテクニック・ツールの話だが、特定の手帳術に入れ込むのではなく、「私たちにとって手帳とは何か」という硬派な視座が展開されている。

話題は広い。バレットジャーナルからガントチャート、ライフハックからスピリチュアルまでさまざまである。こうして眺めてみると、ますます手帳の奥深さというか、その懐の広さが感じられる。

スマートフォンが登場したことで、一時期手帳の衰退が予想されていたが、現実にはそうなっていない。一つには、やはり紙の手帳の法が便利な場面はたしかに存在すること。もう一つには、いくつかのモジュールがワンパッケージになっている安心感があるだろう。

スマートフォンは、どうしても機能がアプリとして分化してしまう。たしかに情報は一つの端末内に入っているのだが、タスクを確認するのと、スケジュールを確認するのとでアプリを切り替える必要が出てくる。ここに煩わしさや、あるいは機能的不具合があるのだろう。

しかしむしろ、スマートフォンが登場し、便利なデジタルカレンダーアプリが出てきたことで、「手帳とは何か?」という問いかけが鮮明な強さを持ち始めたことに私は興味を覚える。それまでは「カレンダー」(≒スケジューラー)として認識されていた道具が、その機能を担う別の道具が登場したことで、別の価値が見出されるようになった、ということだ。それは、電子書籍が登場したことによって、改めて紙の本の良さが認識されたことに近いように思う。

どちらにせよ、私たちはこれからも「手帳」的なものと長く付き合っていくだろう。一方でそれは自己啓発的な意味を持ち、もう一方では趣味世界を彩る意味を持つ。どちらも、人生にとっては大切なことである。

▼目次データ:
introduction 手帳を組み立てよう
Chapter 1 キーワード 手帳編
Chapter 2 キーワード 手帳術編
Chapter 3 スマホと手帳どっちが便利?編
Chapter 4 手帳マイルールを作ってみよう

最新トレンドから導く 手帳テクニック100 (エイムック 4181)
舘神龍彦 [エイ出版社 2018]

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