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『アクセル・ワールド24』(川原礫)

もともと二つの世界の接続は匂わされていた。つまり、ソードアート・オンラインの世界と、アクセル・ワールドの世界である。状況的には、まずソードアート・オンラインの世界があり、その後その世界で起きた出来事を受けて変革されたアクセル・ワールドの世界がある。そういう構図である。

もちろん、本当にその二つが直接につながっているのかはわからない。ある種のパラレルワールドだと位置づけることも可能だろう。それくらい、その接続は微妙な形でしか匂わされていなかった。

関係性があること自体は、「心意(シンイ)」というキーワードで明確である。しかし、それ以外はどうか。そのあたりの微妙なラインを動いていたのだが、今回は剣の流派として、明陰流(アインリュウ)が登場している。そして、光と闇の二対の剣。いやおうなしにアインクラッド流が想起されるではないか。また、その名前が少し変わっていることも、時間の経過を想像させる。

もしかしたらそれは、現実世界のダイレクトな接続というよりも、仮想的に想像された、しかし現実の魂を持つ人たちのつながりなのかもしれない。シードプログラムがゲーム世界を接続するならば、その根は、はるかな時代を超えて受け継がれていくことも可能にするだろう。

アクセル・ワールド24 -青華の剣仙- (電撃文庫)
川原礫 イラスト:HIMA [KADOKAWA 2019]

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