「アトランティス・ジーン」シリーズ第三弾にして最終章。
これまではとがらっと雰囲気が変わる。第一弾では、SFではありながらも、アクション要素が強かった。「ミッション・インポッシブル」のような印象だ。しかし、途中から徐々にSF感が増してきて、最終巻に至っては宇宙間の戦争にまで話が広がっている。まるでGoogleマップの縮尺ゲージを徐々に上げていくような視点の転換だ。それでも「人間ドラマ」がきっちり残っているのはさすがと言うべきだろう。
シリーズ全体を通してみると、人類の歴史の歩みを人類の中で描写しながらも、人類のその先については人類の外に立ってそれを記述している。なかなかおもしろい書き方だ。中盤あたりで、「誰が誰だかよくわからなくなる」のが若干のネックだが、そこに目をつぶれば、よくできた物語であろう。
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