いや、別に京アニの回し者じゃありませんよ。
もともと一期もすごかったので、いちいち「ユーフォすごい!」って言ってませんが、二期もすごいです。で、そういう話はぜんぶ終わってからにしようと思ったのですが、9話と10話があまりによかったので、ちょっと書いておきます。
(10話のリンク公開予定地)
我らがアスカ先輩の回なんですが、彼女の影と光がびしっと描かれていました。ああいう性格の人は、だいたいこういう背景を持っているよな、と納得です。で、そのことについてちょっとツイートもしたんですが、それを再掲。
アスカ先輩は、黄前に「この曲を否定して欲しかったのかもね」と言っていますが、もちろんそんなはずはなく、彼女が望んでいたのは、理屈っぽい自分の否定なのでしょう。
彼女は聡いので、いつでも「正しい」答えが見えてしまいます。彼女のその理屈の強さは、黄前を簡単に論破しているシーンでも描写されていますが、まさにそれと同じ力を彼女は自分自身にも向けてしまうわけです。
その意味で、彼女の部屋に六法全書が置いてあったのは象徴的でした。たしかに、そういう仕事が向いている気がします。
でも、だからこそ彼女は「間違える」ことができません。自分の「理屈」に抗することができないのです。心の一方では「そうではない」と思う自分がいても、「正しい」を主張する自分がそれを却下してしまうわけです。
結果、自分が我慢しておけばすべて丸く収まる、という結論に辿り着き、そこから抜け出ることができません。だってそれが「正しい」のですから。彼女は自分自身ではそこから抜け出られないことも十分理解していていて、もう一方の思いを黄前に仮託したのでしょう。自分の理屈を、理屈ではない何かでぶち壊されてしまうことを望んだわけです。
そういうのを通り抜けた上での、あの笑顔ですからね。もうこれは完敗です。はい。