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『ソクラテスと朝食を』(ロバート・ロウランド・スミス)

朝起きてから、夜眠るまでの「日常生活」の中に潜む哲学。それをじっくり考えていく、という一冊。『100の思考実験』と方向性は近い。とりあえず言えることは、面白い本だ。

よくよく考えてみると、日常には不思議なことが溢れかえっている。私たちが朝起きて自覚する「意識」、これは一体何なのだろうか。あるいはごく当たり前のように行っている「仕事」にはどんな意味があるのだろうか。一度でも考えはじめてしまえば、疑問が絶えることはない。その疑問を、まあいいかとポイ捨てせずに、じっくり取り組んでみたのが本書だ。これは哲学の実践でもある。

そもそも、ソクラテスは「よく生きること」の大切さを説いた。「よく在ること」ではない。だからこそ、日常生活のさまざまな行いにも注意を向けなければいけない。

ソクラテスと朝食を 日常生活を哲学する
ロバート・ロウランド・スミス [講談社 2012]

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