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Fate/strange Fake (3)(成田良悟)

成田良悟が語るFateシリーズ第三弾。なんとも言えず成田ワールドである。

第一弾ではまだFateワールドの印象の方が強かったが、そこから少しずつ体に毒が回ってくるように成田ワールドが浸食してくる。巧妙に「?」を残して進むストーリーテリング、視点別のエピソードと飛び交う時系列、狂人と奇行と充ち満ちる言葉たち。読んでいるうちに、何が主軸なのか、どこが軸足なのかが徐々に分からなくなり、気がつけば成田ワールドに絡め取られている。それがまた快なのだ。

二次創作と言うならば、まさにこれは二次創作だろう。著者は原作の骨を取り替え、胎盤を奪おうとしている。その手つきは実に緻密で大胆だ。僕たちは手術を見ているのか、オーケストラの指揮棒を見ているのかを区別できないだろう。もちろん、創作においてそんな区別に何か意味があるとすれば、ということだが。

Fate/strange Fake (3) (電撃文庫)
成田良悟 [KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2016]

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