2009年にINFASパブリケーションズから発売された、『神山健治の映画は撮ったことがない~映画を撮る方法・試論』の改定版。2017年3月公開の『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』に合わせたものだろう。
内容も微妙に違いがある。もともと方は中島哲也&押井守との対談が収録されているようだが、このディレクターズ・カット版では庵野秀明監督との録り下ろし対談が収録されている。もちろん、『シン・ゴジラ』の成功の影響であることは言うまでもない。
さて、内容だが、神山監督が映画というものをどのように捉えているのか、いかなる手法で映像作品にアプローチしているのかが語られている。私は映画撮影にはまったく興味がないのだが、それでも構造の捉え方、音楽の使い方などは面白く読めた。文章執筆など他のメディア作りに活かせる話も多いと思う。
メディアの特性を活かすためには、それぞれの違いについて考える必要がある。つまり、映画について考えることは、映画ではないメディア(小説や音楽)について考えることでもある。逆も然りだろう。
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