ハイデガーの講義録から面白い部分をピックアップし、その「面白さ」について著者が解説していく、というもの。
「拾い読み」というタイトルからわかる通り、哲学者「ハイデガー」の思想を一から理解していくための本ではない。あと、この手の話題にまったく興味が無いなら、難しい言葉遣いも多い。
が、それはそれとして、ハイデガーという人物がいかなる手つきで自らの哲学を行っていたのかの片鱗は感じ取れる一冊だ。目次は以下の通り。
第1回 ハイデガーの講義録の面白さ
第2回 “実在性”と“現実性”はどこがどう違うのか
第3回 「世界内存在」という概念の由来
第4回 ハイデガーの悪癖
第5回 古代存在論は制作的な存在論である
第6回 自然について
第7回 プラトンと哲学の発足
第8回 「世界内存在」再考
第9回 専門的常識の誤り
第10回 プラトンとアリストテレス、キルケゴールとニーチェ
私は『存在と時間』の難解な文章に、早々に挫折してしまったが、それでも本書を読むと、もう一度その思想に触れてみようという気になる。まずは、何かしらの入門書がよいだろうか。
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