多重にコンテキストが織られており、簡単に言及するのが難しい作品である。
ある部分だけを取り上げれば、くすくす笑うだけの、細かくシュールな笑いがあるだけだし、コンテンツの方向性自体は、サブカルチャー全体へのドロップキックである。しかし、本作を全体として眺めれば、その破壊的な性質が浮かび上がってくる。
本作が破壊的だというのは、きわどい内容や著作権ギリギリのパクリに関してではない。シュールさで言えば、「弱酸性ミリオンアーサー」が近しいし、脈絡なくパロディーものをぶっこんでくるのは「おそ松さん」で体験済みである。では、本作はそれらの作品に近いかというとまったく違う。というか、本作はアニメという文脈からも逸脱している。そういうチャレンジングな要素で満ち溢れているのだ。
その意味で、ポプテピピックはポプテピピック以外の何ものでもない。この前にも、この後ろにも類似のものは出てこないだろう。本作は、決してジャンルを形成しない。その意味で破壊的なのだ。
映像も音楽も、細かい部分はガチである。だからこそ、シュールでラフな部分が浮き立つ。普通はこれを逆に使うと思うのだが、そうなってはないのが本作の本作たる由縁であろう。
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