女性が出てきて、飲み屋に入り、つまみと共にお酒を飲む。プシュー。
基本的には、それだけの話だ。でも、なぜか心地よい。私が酒飲みだからもしれないが、それだけではないだろう。本シリーズには、それ自身の強い主張めいたものがなく、それが心地よいのだ。
たとえば、本作は「女性のひとり飲み」がテーマとなっているわけだが、「女性のひとり飲みっていいよね」ということがわざわざ声高に言われてはいない。単にお酒を飲み、つまみを楽しんでいるだけである。でも、その姿から、読者はその行為の全体的な良さを感じることができる。それで十分ではないだろうか。
これは読書にも同じようなことが言えて、別に「読書ってすごい!」みたいなことを言わなくても、単にその人が読んだ面白い本を淡々と(あるいは切々と)語るだけで、届くところには届くし、響くところには響く。それで十分ではないだろうか。
ともかく、ひっきりなしにお酒が飲みたくなる漫画である。私にしては珍しく日本酒に手を伸ばしてみたくなった。
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