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『超短編アンソロジー なんなの』(根木珠 編)

名前の通り、超短編を集めた本。作品の説明によると「だいたい16名+αの作家によるおよそ39篇くらいの作品」が収録されている。

参加作家は、

浅黄幻影、淡波亮作、泉由良、折羽ル子、川瀬薫、倉下忠憲、焦田丸、白取よしひと、波野發作、根木珠、バーバヤガ、初瀬明生、山田佳江、米田淳一、和良拓馬、rai

と、セルパブ界隈で見知った名前が多い。ちなみに私も「黒い箱」というシュール系のショートショートを一編寄稿している。本書は無料なので、ご興味あればご覧頂きたい。ちなみに、Kindleストア以外でも入手可能である。

BOOK☆WALKER
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BCCKSでは、立ち読みもできるし、EPUBもダウンロードできる。

でもって、お気づきになられた通り、本書はストアごとに表紙が違う。それも「細部がちょっと違う」レベルではなく、完全に別の表紙である。これはたまげた。普通に考えて割が合うわけがないのだが、そもそも無料なので割なんてはじめから合うはずがない。ゼロ除算なのだ。

それはそれとして、このストアごとに表紙を買えるという戦略は電子書籍では有用のように思う。ブランドイメージが確立しにくいデメリットはあるが、複数のストアでの複合的な売上げが見込める__同じ人が複数買うということ__点と共に、ストア利用層の好みに合わせてイメージを使い分けられる点も大きい。つまり、比較的高齢な世代が多いストアと、若い世代が多いストアであれば、アピールする表紙のデザインは違うのではないか、という話だ。

本当にそんな差異があるのかはわからないが、仮にあるとしてもそれをたしかめることはこれまでの本の流通では難しかった。今では、やろうと思えばそれを実験できる。こうした「実験」のしやすさは、その媒体の多様性と可能性を拡大させることにつながるはずだ(この辺のさわりは『ゼロから始めるセルパブ戦略』でも触れてあるので、参考にされたし)。

と、表紙についていろいろ書いてしまったが、本書はなかなか奇妙な作品が集まった本である。一編が短いのでさくさく読める点も、電子書籍向きかもしれない。個人的には山田佳江さんの四コマでクスッと笑ってしまった。

今後も、このようなアンソロジーがどんどん出てきてくれることを願う。

超短編アンソロジー なんなの
根木珠 編[九十九電本文庫 2016]

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