0

『ViVid Strike!』についてちょっと

2016年の秋アニメの1つである『ViVid Strike!』。

screenshot

「魔法少女リリカルなのはシリーズ」の第4期である『魔法少女リリカルなのはViVid』の続編的位置づけではあるが、そのタイトルには「なのは」の名前どころか、「魔法少女」のフレーズも存在しない。新しい始まりを志向する意志が、ここからは感じられる。

実際、本作における魔法は補助的な意味しかなく、主軸はどこまでいっても格闘である。少年向け格闘アニメの登場人物をそっくりそのまま女の子にしたら、こんな作品になるだろう。そして、そもそも原点でもある『魔法少女リリカルなのは』だってそうだったのだ。「魔法少女」を銘打ってはいるが、この作品のノリは完全にドラゴンボール的な少年漫画のそれである。

シリーズが続くにあたって、キャラクタも成長していき、物語もSF的に大きくなっていった。それをいったん原点回帰しようではないか、という意図があるのだろう。その視点で眺めると、本作は見事に初代なのはと重なってくる。

主人公は、水瀬いのり演じるフーカ・レヴェントンと、小倉唯演じるリンネ・ベルリネッタのダブルキャストだ。「この二人か」と思わず頷いてしまった。若手の声優では勢いがある二人だし、二人とも歌も上手い(あとすごくかわいい)。「なのは」シリーズの外に位置づけてあるので、主題歌も水樹奈々と田村ゆかりではなく、この二人が担当している。

しかも、である。どちらかと言えば敵方の小倉唯がオープニングを担当し、味方側の水瀬いのりがエンディングである。まるっきり水樹奈々/田村ゆかりをなぞっているのだが、それだけではない。

小倉唯の「Future Strike」は、アップテンポかつややハードな曲調で、これまでの彼女の印象とは大きく異なっている。2013年に発売された「Baby Sweet Berry Love」は、アイドル路線だったし、私はそれを聴いたとき、「これ、田村ゆかりが歌っているのか?」と思ったことがあるのだが、本作ではむしろそちらは水瀬いのりが担当している。

この小倉唯のシフトチェンジは、『魔法少女リリカルなのはA’s』における「ETERNAL BLAZE」を彷彿とさせる。ストリングスを豪華にぶち込んだこの曲は水樹奈々の代表作でもあり、この作品のヒットが現在の彼女に連なっていることは想像に難くない。ポイントは、それまでの曲調と「ETERNAL BLAZE」はずいぶん違っていた、という点だ。彼女のビブラートをこれでもか!と効かせて歌い上げる歌い方は、ようやくこの曲で発揮されたと言えるだろう。

同じことが小倉唯に起こるかどうかはわからないが、私は「Future Strike」をかなり気に入っている(発売日に即買った)。

Future Strike
カテゴリ: アニメ

このように見てみると、『魔法少女リリカルなのは』(あるいはA’s)との共通点がいろいろ見えてくる。まあ、ビジュアルで敬遠される方も多いだろうが、熱い(熱血バトル系)アニメが好きなら楽しめるはずである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です