どうやらメディア界隈では、マクルーハンを読んだことがないと一段か二段は下に見られるらしい。しかし、『メディア論』や『グーテンベルグの銀河系』なんか読む時間は無い。そんなときは、本書である。
マクルーハンの「メディア」という言葉遣いが何を意味していたのか。そして彼がそのメディアの先に何を見越していたのか。そのエッセンスがざっくりわかってしまうという良書である。これで大御所にもバカにされなくて済む。魔除けとして最適の一冊だ。
と冗談めかして書いているが、本書にたびたび登場するマクルーハンの引用に触れるだけで、彼の思想の奥行きはたしかに伝わって来る。そこから実際に彼の著作に触れる、というステップもありだろう。
ちなみに、マクルーハンの『メディアはマッサージである』は文庫本で、写真も多い(=文字が少ない)ので次のステップには最適かもしれない。ただしそちらは、「読める」からといって「わかる」とは限らないのが難点だが。
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