つまりは、どういうことだ。
セルフパブリッシング作家が100名集まって、自著のイチオシを紹介する。そういう本なのだ。無料で読める。
つまりは、目録である。
よく書店とかに置いてある「新潮文庫の100冊」とか、そういうのをイメージしてくれればいい。ちなみに私もお声かけを頂き、一冊本を紹介させていただいた(Amazonの内容紹介が掲載されているだけだが)。
そもそも私は「物書き」であり「ハイブリッド・オーサー」なので実用書も文芸書も(というかライトノベルも)書くのだが、よくよく思い出してみるとセルフパブリッシングで文芸と呼べるのは『Category Allegory』と『書籍の解体とフラグメント・コンテンツ、氾濫するアメーバ・センテンスや、クリエイターのアイデンティティーと過ぎ去りし書店員の憂鬱、およびキュレーションの価値とホット化したメディアについての詩』の二作しかない。
というわけで、この本の発売までに何か文芸ものの新刊を一冊上梓して、それを自薦しようかと思ったのだが、どう計画を立てても間に合いそうにないので、『Category Allegory』を選択した。個人的にはけっこう好きなショートショート集である。
本書は作品の目録であると共に、セルフパブリッシング作家のカタログでもある。ほんとにまあ、結構たくさんいらっしゃるのだ。そして、これはまだ一部でしかない。さらに今後もゾクゾクと増えていくだろう。セルフパブリッシングはそういう世界だ。そして、私が思うところによると、圧倒的に露出が足りていない。
『もの書く人々』のときにも書いたが、既存のメディアがインタビューしてくれたり、小冊子を作ってくれたりしないわけだから、それらも含めて自分でやるのがセルフ「パブリッシング」である。紙の本だって、何人もの大人が汗水垂らして動き回って、売上げを作っているのだ。それと同じ規模のことをする必要はないが、少なくとも売りたいのであれば、やれることをやった方が良いことは間違いない。
ちなみに本書には、3つの対談がおまけとしてついてくる。
- 対談X① 堀田純司×波野發作
- 対談X② 刈草亜美×伊藤なむあひ
- 対談X③ 高橋文樹×山田佳江
これらの作家に興味を持ちならお得感アップである。まあ、もともと無料なのだが。