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映画『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』

予告編から想像していたが、やはり切なく悲しい物語だった。中盤ぐらいから、ずっと泣き通して見ていた。

主人公である梓川咲太は選ばなければいけない。何を選んでも、必ず後悔が待っている選択をしなければならない。物語は進み、彼は選択の結果に直面する。どうしようもない絶望が彼を襲う。そういう物語だ。

少しネタバレを覚悟で言うと、シュタゲ的な覚悟が必要な作品だ。あまりにも、あまりにも切ない。しかし、人はいくつかある未来の可能性から何か一つを選び取って進んでいかなければならない。自分の掌から溢れ落ちる多くのものを後にしながら。

それでも、私たちは何かを変えることができるのだろうか。あるいは、そう信じることができるのだろうか。確定された未来を覆し、自分ではない誰かが何かを救ってくれる世界を期待してもいいのだろうか。思いは時空を超えるのだろうか。

未来の自分が、過去の自分に影響を与えるとき、因果はねじ曲がる。メビウスの環のようにぐるっとねじれてしまう。思いが時空を超えるなら、そういうことも起こりえる。あるいは、初めからこの世界はそのように作られたのかもしれない。あるいは、蝶の見ている夢なのかもしれない。

だとすれば、寄る辺となるのは、一体なんなのだろうか。

「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」 | 青春ブタ野郎シリーズ

青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない 『青春ブタ野郎』シリーズ (電撃文庫)
原作

監督:増井壮一 脚本:横谷昌宏 総作画監督:田村里美 制作:CloverWorks 原作:鴨志田一 [アニプレックス 2019]

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