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映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』

デクくんとオールマイトが、海上に浮かぶ巨大人工移動都市≪I・アイランド≫にお出かけする、ということで校外話が始まるのかと思いきや、結局いつもの面子がなんとなく集まる展開に。まあ、仲間というキーワードは本作では外せないので当然ではある。

タイトルに「2人の英雄」とあるので、一瞬金髪のメガネっ娘がもう一人のヒーローで、その共闘が描かれるのかと思いきやそうではなかった。描かれるのは、バトンを渡すものと、渡されるものの、ひとときの共闘である。それは、過去から今の話であり、今から未来の話でもある。その結合点が本作でもあろう。これはこれで盛り上がる話である。

しかし、本作で注目したいのは見えないヒーローの存在だ。サポーターという呼び方をしてもいいだろう。ヒーローが力を振るえるのも、そうした下支えがあってこそだし、本作で示されているように、ときにそれはその力を大きく増幅させることもある。むしろ、そうした実行の主体とそのサポーターのネットワークことが「ヒーロー」であり、生身の人間はその象徴でしかないとも言える。つまり、二重の意味で彼らは象徴なのだ。

とは言え、力が人から人へ手渡されていく仕組みというのは、ある種呪いのようにも見えてしまうことは、本作において常に感じてしまうことである。楽天的に肯定できるものでは、ないだろう。

僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~ DVD プルスウルトラ版
監督:長崎健司 [東宝 2019]

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