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『発想法の使い方』(加藤昌治)

発想法についてのまとめ的な内容。文体が非常に軽く、接しやすい雰囲気が好印象。技法として挙げられているのは次の10個。

属性列挙法、マンダラート、パーソナル・アナロジー法、場所エクスカーション法、SCAMPER、ブルートシンク、死者の書、カラーバス。アイデアスケッチ、ブレーンストーミング

発想技法では有名なものが多い。これらを4つの切り口、

・課題を細かく分割する
・課題をいったんズラす
・論理的に問いかける
・直観的に問いかける

で紹介していることも、それほど特筆するようなことではない。分析としてはごくまっとうな筋だ。

本書の特徴は、そのような技法を一通り紹介した上で、アイデアを見せるための方法としてアイデアスケッチを解説し、それを踏まえた上でチームでの発想法(ようはうまいブレストのやり方)にまで射程を伸ばしている点にある。

物書きは一人で頭を働かせればよいが、多くのビジネスパーソンはそうではないだろう。むしろチームでの発想の方が活躍する場面は大きいかもしれない。もちろん、チームでの発想は、まず個人の発想力があってこそなので、基本的な発想技法を軽視することはできないが、会社で働くならば適切なブレストスタイルも学んでおく必要があるだろう。そういった点への内容の配慮が、本書をビジネスパーソン向けの実用書たらしめている。

▼目次データ:

はじめに──「数、数、とにかく数! でいいんだ、ってこと」
■第1章 アイデアを出しやすくなる3つの前提
■第2章 アイデアを出す1──課題を細かく分割する
■第3章 アイデアを出す2──課題をいったんズラす
■第4章 アイデアを出す3──論理的に問いかける
■第5章 アイデアを出す4──直観的に問いかける
■第6章 アイデアを描く
■第7章 チームでアイデアを出す
おわりに──アイデアを出すなんて簡単!
引用・参考文献/ブックガイド

発想法の使い方 (日経文庫)
加藤昌治 [日本経済新聞出版社 2015]

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