本書のおかげでずいぶん視野がはっきりした。目次は以下の通り。
第1章 レヴィ=ストロースの「構造主義」とは何か
第2章 構造主義的思想家たちの興亡――ラカン・バルト・アルチュセール
第3章 構造主義からポスト構造主義へ――フーコー
第4章 人間主義と構造主義の彼方へ――ドゥルーズ=ガタリ
第5章 脱構築とポスト構造主義の戦略――デリダ
第6章 ポスト構造主義以後の思想
エピローグ 〈フランス現代思想〉は終わった
レヴィ=ストロースから始まり、フーコーに至るまでの流れ。そして、そこからのドゥルーズ=ガタリ、デリダという発展。さらにその後に続く思想の萌芽がまとめられている。ややこしい議論に深入りするようなことは避けられているので、全体像をざっと捉えるには最適の一冊だろう。
「構造主義」については、橋爪大三郎氏の『はじめての構造主義』で大まかには掴んでいたのだが、その後については語られていないので__執筆時期からして当然ではある__、若干知識の地図に歯抜けがあったのだが、本書でそれを補えた感覚がある。
また、フランスの思想の流れを「構造主義」から「ポスト構造主義」へといった単純な構図として捉えずに、その一連の流れを〈フランス現代思想〉としてまとめているのはなかなか面白かった。そこに何かしらの具体的な名前を与えず、〈フランス現代思想〉とフラットなネーミングにしているのも印象的だ。
最近売れているらしい『いま世界の哲学者が考えていること』も同じ著者のようなので、少し気になっている。
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