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ビジネス書のボリュームと値段

最近のビジネス書って、ページ数と値段がそれぞれ三分の一ぐらいでちょうど良い気がする。70ページほどで500円。

いや、別に悪気があって言ってるわけではなく、それくらいコンパクトにした方が忙しいビジネスパーソンにとっても摂取しやすいのではないかと感じているだけだ。内容を薄めてページ数を稼ぐことが悪だ、なんて糾弾しているわけではない。ぜんぜんない。

そういうシンプルブックは、原理的には作れるはずだが、現状走っているシステム的には難しいかもしれない。だからまあ、あくまで思考実験という感じで進もう。

まず。本の値段を三分の一にしたからといって、本が三倍売れるわけではないだろう。回転率が上がるので多少増えることは予想されるが、まあ、多少だ。となると著者は困る。何かを変えないと。

印税率だ。

ここは景気よく印税率も三倍にして、24%ぐらいにしてしまおう。でもって、刷り部数ではなく、実売部数にする。これで出版社側のリスクはかなり減る。その代わり、1000部とか2000部とか、そういう最低保証は必要だろう。それ以上については、実売部数で計算するわけだ。

ついでに、実売部数の規模によって印税率を変えてもいい。5000部以上なら16%。1万部以上なら8%とするわけだ。一万部以上売れれば、著者にもそこそこ収入が入っている計算になるので、そこからは出版社の収益分を増やして、健全な組織を運営するために役立ててもらう。他の著者に「冒険」するための資金としても良い。

ちなみに、500円の本が一冊売れて24%なら、120円の印税となる。それが5000部で、60万。5000部から1万部では40万で、合計100万。仮にそこから5000部売れたら、20万で120万。

う〜ん、結構微妙か。「悪くない」の数歩手前といったところだ。1万5000部は、今のビジネス書では「ヒット」に入ってしまうだろうし、それが120万だったら、あまり書き手は集まらないかもしれない。まあ、それくらいでちょうど良いバランスかもしれないが。

あとは値段とボリュームを三分の一にする施策の市場刺激効果がどのくらいあるか、ということに尽きるだろう。個人的にはそこそこありそうな気はしている。ともあれ、そんな「実験」はなかなか行われないだろうが。

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