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アニメ『クオリディア・コード』

「プロジェクト・クオリディア」によるテレビアニメ、なのだが原作を読んだことがないので、そちらに言及するのは避けておこう。アニメ版のみに触れる。

あまり事前の期待もなかったし、放送中もそれほど盛り上がってはいなかった。それでも、主題歌がLiSA、ClariS、GARNiDELiAと私のツボを押しまくっているので、それを期待して見ていたのだが、なかなか面白い。話が進むにつれ、この世界の全体像(及びそのいびつさ)が垣間見えるようになっている。

還元的に観察すれば、個々の要素はよくある話である。しかし、それがモザイク的に集まって、独特の空気を生み出している。途中作画が怪しくなる部分はあったが、それはまあご愛敬。キャストで言えば、天河舞姫役の悠木碧がサイコーだった。

現在のライトノベル的な作品は、一人の主人公がいて、それが強かろうが弱かろうが、その周辺に人が集まってくる。その性別比率が女性に偏っているとハーレムと呼ばれる。どちらにせよ、一つの集団のお話である。あるいはその逆に、バッカーノ的な群像劇もある。複数の視点から、一つの物語を眺める。

この『クオリディア・コード』は、そのどちらでもない。二人の組が3つあり、それぞれが「幼なじみ」「ツンデレ兄妹」「百合(あるいは女性の友情)」のペアを形成している。そして、そのどれもが特別な「主人公」というのではない。もちろん便宜的な主人公はいかにも主人公らしい朱雀壱弥なのではあるが、それは形式のみである。本作では3つのペアが、それぞれ主役を張っている。それが本作の個性を生み出していると言っても良いだろう。

そうした特徴は、この「プロジェクト・クオリディア」が複数の著者によって紡がれるシェアード・ワールドを採用している影響なのかもしれない。そうだとしたら、なかなか面白い傾向である。

ライトノベル、特にハーレムもののそれは、いろいろな女性キャラを用意して「好みのキャラを選んでください」という趣向になっているが(そして、それぞれのキャラに優劣はないわけだが)、『クオリディア・コード』ではそれがペアにおいて適用されている。これは、作品の楽しみ方がより視聴者の手に委ねらるようになってきている傾向を示しているのかもしれない。この辺の話題は、また別に掘り下げる価値がありそうだ。

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