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『俺の考え』(本田宗一郎)

大胆かつ奇抜、そしてシャープに本質を突く。

すぐれた経営者というのは、優れた思想家でもある、というと言い過ぎかもしれないが、ともかく面白い。慣例といったものから考えを立ち上げることをせず、本質と未来を見据えて必要な行動を取っていく。それが、習慣に引きずられる人からみると奇抜に見えるのだろう。あるいは、多少のへそ曲がりマインドが本田氏の中に潜んでいるのかもしれない。

資本がないから事業が思わしくないとの声をよく聞くが、それは資本がないからではなく、アイデアがないからである。

耳の痛い話ではあるが、この指摘は現代においてますます重要になっている。

本書にはどこにも古さはないし、たいくつな話もない。オリジナル版は昭和38年発売の本だが、新しさと面白さに満ち溢れている。

俺の考え (新潮文庫)
本田 宗一郎 [新潮社 1996(改版)]

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