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Kindle Unlimitedについて思う

出版社として考えよう。

Kindle Unlimited(以下アンリミ)に、単品の販売が期待できる新刊はあまり置きたくない。アンリミに期待されるのは、数年経ってもうほとんど動きがない本からの再収入である。だから、新刊はラインナップさせずに、古くなってから並べる戦略が合理的だ。あるいは、まったく並べない戦略もありえる。

KDPプレイヤーからも考えよう。

アンリミに登録するためにはKDPセレクトへの加入が必要だ。KDPセレクトに加入したら、自動的にアンリミに登録されてしまうとも言える。

KDPプレイヤーも、出版社と同じように、新刊の発売タイミングではアンリミには入れたくない。望ましいのは、ある程度単品で売上げを作ってからが望ましいだろう。すると、奇妙なジレンマが発生する。

これまではまずKDPセレクトに登録し、90日間はAmazonのみで販売をしてから、その後マルチプラットフォームへの展開と切り替えるやり方があった。しかし、今これをすると、まず新刊の発売と共にアンリミに登録されてしまい、その後90日経ってからKDPセレクトを解約して、マルチプラットフォーム展開しようとすると、アンリミから外れてしまう。むしろ、そのタイミングこそアンリミに入れたいはずなのに

このままだと、セレクトを選択するKDPプレイヤーはかなり減っていくだろう。改善が望まれる。

アフィリエイターからも考えよう。

アンリミの本をいくら紹介したところで、その本がアンリミで消化されてしまう限りは、アフィリエイターに収益はない。せいぜいPVを集められるぐらいだ。しかし、アンリミは対象本が変わる可能性があるので、長期的なPVに貢献してくれるかどうかは未知数である。

ということは、注目を集める開始直後はともかく、その後はあまりアンリミ本を探して紹介しようという人は出てこないだろう。間違いなくAmazonはアフィリエイト制度で売上げを伸ばしてきたわけだが、アンリミ本についてはそうした動線がない。しかしながら、現状のアンリミのUIでは、コンテンツの発掘こそが一番困難なのだ。だからこそ、「こういうアンリミ本ありますよ」という動線が広がって欲しいはずだ。しかし、それがない。

ということは、あれだろうか。あんまりこのサービスを広めるつもりがない、ということだろうか。

真相はわからない。とりあえず、どの立場であっても扱いが厄介であることは間違いない。

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