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『バーナード嬢曰く。: 5』(施川ユウキ)

端的に言って、最高だ。読書をこよなく愛する人でなくても楽しめるだろう。表紙で神林さんがカッコよく決めているが、その内実は本編を見てのお楽しみである。

『三体』『カササギ殺人事件』『ダレン・シャン』『本好きの下克上』『ギネス世界記録』……

それにしてもこの漫画を読むと、高い確率で登場作品が読みたくなる。実に不思議な魅力で満ちた作品だ。新聞のお堅い書評とか、アフィリエイト欲求丸出しの手抜きなレビューとはまったく違う。本シリーズには、読書の、いや読者の声が満ちている。さまざまな読者の声が。

読書は、たったひとりだけで遂行できる孤独性の高い趣味(あるいは営為)である。読書は人を孤独に誘う。でも、本を読むことは、ひとりになることを意味するわけではない。

私たちは本の世界で他者に触れ、本を通して著者と対話する。そして、本そのものについて誰かと会話する。読書は孤独であり、ひとりではない。本は、ひとりで読みつつ、みんなで読むことができる。あるいは、ひとりの読みの多重の重ね合わせを生み出せる。

読書は読み手を孤独に誘うが、決して孤絶はさせない。いやおうなしに、他の人とつながる契機を与えてくれる。あとは、それをどう活かすかだ。

施川ユウキ [一迅社 2020]

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