「アトランティス・ジーン」シリーズ第二弾。『第二進化』は、まあSFという感じだったが、本作ではいっきにハードなSFのノリになり、世紀末感も急上昇する。スティーブン・キングが描くような「この世の終わり」である。ここから、どのようにエンディングに持っていくのかは興味がある。
ちなみに、ストーリー的なギミックは、後出し感が隠せない。「突然そんなことを言われても……」と感じることは多い。が、気になるかというと別にそういうわけでもない。むしろ、本書の中心的なテーマである、「人類にとっての幸福はどちらなのか」問いに、と著者がどのような答えを提示するのかで興味は一杯である。
最終巻でその答えが明らかにされるのだろうが、その問いは現代でも(あるいは現代だからこそ)切実さを持っているだろう。
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