倉下さんのメルマガには感想をハッシュタグでつぶやく風習があります。
そうですね。「風習」という言葉のチョイスはとても良いと思います。
トップダウンの強制ではないし、ボトムアップのピアプレッシャーでもない。ある人は習慣的に実施するし、別の人は気が向いたら実施する。そんな感覚で#WRM感想というハッシュタグは運営されています。
ちなみに、すべての感想をリツイートやらいいね!しているわけではありませんのでご了承ください。
さて、このハッシュタグの機能を一言で集約すれば、それは「可視化」となるでしょう。見えるようにする、ということです。
第一に、#WRM感想 のハッシュタグを使ってもらうと、私がメルマガ読者さんを見つけられます。案外、これが難しいのです。エゴサーチも完璧ではありません。でもハッシュタグ経由なら高確率で発見できます。
第二に、メルマガ読者さんが他のメルマガ読者さんを見つけられます。私ならともかく、メルマガ読者さんが毎日「倉下 メルマガ」とかでエゴサーチする__というかエゴサーチですらない__のは無理筋でしょう。でもハッシュタグなら簡単です。
で、興味の感応則のアレンジバージョンというか、Xというコンテンツが好きなAとBという人は、互いに面白いと思い合う可能性が高いので、これはなかなか良い「フォロー候補」として機能してくれます。
第三に、メルマガの存在がメルマガ読者さん以外にも広がります。これはまあ、プロモーション効果というやつですね。だいたい#WRM感想に乗るツイートは、知的な刺激に裏打ちされた__と自分で書くと恥ずかしいな__感想であり、それに興味を持つ人は当メルマガとの親和性も高いと言えるでしょう。
それに、知的好奇心がある人なら間違いなく「WRM感想ってなんだろう?」と思うはずです。ちょっとした不可思議さがありますからね。これも一種のフィルターで、そういうことをまったくスルーしてしまう人はたぶん当メルマガを読んでもあまり面白くないでしょう。よって、「間違ったところに届いていない。届くべきところに届く」ためのプロモーションとして#WRM感想は機能しているのです。
以上のようなことすべて__いいですか、すべてですよ__は、まったくもって後付けです。そもそもこういうハッシュタグの運用を提案したのは、私ですらありません。読者さんなのです。
私はこういう風に、しゅっとまとめて説明するのが得意ですので、あたかもこのような計算をあらかじめ行って施策を決めているような印象を持たれることがあるのですが、実際はまったくそんなことはありません。理屈は後付けです。
私としては、本当にピュアな願いだったのです。「感想が知りたい」という願いです。そのための方法は、きっといくらでもあります。フォームを設けてもいいでしょうし、何か閉じたチャットルームを作ってもいいでしょう。でも、そういうトップダウンって実はあんまりうまくいかないのです。その人が日常的に使っているツールを使ってもらい、そこに少しばかりのアレンジを加えることで整える。これぐらいのやり方が(完璧ではないにせよ)うまく機能してくれます。
いいですか、この説明すら後付けですよ。
結局、ブレストと同じで、いろいろなものが出てくる余地を残しておく。あるいは、それを刺激する、というのが良いのでしょう。
ちなみに、私も自分が読んでいるメルマガの感想についてはツイートなりブログ記事を書くようにしています。たぶん欠かさず書いているんじゃないかと思います。タスクリストにも「結城メルマガ感想ツイート」とか入れますしね。
で、感想を書くとこで、以下のような効用が期待できます。
・読み飛ばしてしまうことを避ける→自分の頭を使い、自分の言葉で表現することを自分に課す
・書き手の人にフィードバックを返す→自分が感想をもらうと嬉しいので、それを書き手の人にも返す
・他の人にメルマガの存在を知らせる→プロモーションへの協力(面白いものはもっと知られていい)
ちなみに、これら3つはわりと自覚的です。計算とはいいませんが、こういう効能を意識してやっています。でも、感想ツイートを書き始めたときは、そこまで深く考えずに、たんに「物は試し」だったのかもしれません。
結局、これもブレストと似たようなものですね。
というわけで、以上のようなお話が好みなら、たぶんメルマガも楽しめると思います(突然の宣伝)。
One thought on “メルマガの感想について”