アニメ『少女終末旅行』のエンディングテーマ曲。
チト役の水瀬いのりとユーリ役の久保ユリカのハーモニーが美しい。それでいて、曲はテクノでポップな感じも漂う。あまり終末感はなく、むしろ前進する人の意志のような明るさがテクノでポップな雰囲気で表現されている。
韻も踏んでいるし、言葉遊びも楽しい。特に、歌詞カードをみないとわからないような仕掛けもある。どう考えても歌い手は日本語として歌っているのだから、わかりようがない。あの部分が「a looking that’s said」だなんてわかる人間がいるだろうか。でもそれは、単なる遊びではなく、本作にある崩壊した文明の後を「なぞっていく」ことに呼応しているのだろう。
彼女らはヌコをまるでペットのように扱う。つまりは、そういうことだ。行為は意識され、表出されることだけが意味を持つわけではない。聞こえてきたように歌ったら、日本語として成立していた、ということはあるだろう。そんな二重性を感じさせる言葉遊びなわけだ。
あと、歌詞にある、
難解なパズルを解く様に
きっと何回も
「知りたい」を知るから
も実に泣かせる。私たちは、たとえ文明がどのような位相にあろうとも、「知りたい」を何度も体験して前に進んでいく。結局その「前」なんて、回っている地球からすれば、お釈迦様の掌のようなものでしかない。でも、私たちはそうであっても、たとえそれを知っていても、前に進むのである。「知りたい」というあの気持ちに突き動かされるままに。
チト(水瀬いのり),ユーリ(久保ユリカ) [メディアファクトリー 2017]
Tags: