前巻で、いきなりのSF展開となって、いやはや今後どうなるだろうかと心配していたのだが、今回はいつものアルデラミンである。精霊に一部機能が加わったが、まあそれくらいだ。そもそもイクタとその師匠筋は科学を研究していたのだから、おそかれはやかれ似たことは実現されただろう。時計の針が早まっただけ、というわけだ。
ともかく、今回は舞台装置の話ではなく、人の話である。でもって、非常に泣ける。あまり書くと興を殺ぐのでやめておくが、冒頭の二人のお話は、政治的背景を語り、最後のイクタとハロの話は今後の幕引きに向けた準備というところだろう。でもって、あの人だ。ひさびさに名前を見かけた一発芸人のような懐かしさだが、彼を巡る物語には独特の重さがある。
とりあえず、ストーリー的には、ピットイン的な話である。が、それでも面白いのだ。
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