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『魔法科高校の劣等生(23) 孤立編』(佐島勤)

孤立編とある。孤立するのは、むろん達也だ。

もともと正義感のあるキャラではなく、「お国のため」という矜恃は一切持ち合わせていないにも関わらず、超強力な魔法が使えるのだから、扱い方に難儀する人物であることはたしかだ。これまでのストーリーを通して、彼の「人間らしくなさ」とそれでもの「人間らしさ」が両方描かれてきたが、今回のトリガーを引いたのは前者だった言えるだろう。スーツを着たときの彼のラスボス感はハンパないので、至極当然の成り行きのように思える。

それでも、彼は孤立することによって、つながりを再確認することになる。それは、これまでのもう半分で描かれてきた「人間らしさ」によって生まれたつながりだ。

明らかに物語は終焉に向かって加速してる。以前予想したが、おそらくは彼を中心としたもう一つの対立軸が生まれ、世界は安定(あるいは破局)に向かうことになるのだろう。

魔法科高校の劣等生(23) 孤立編 (電撃文庫)
佐島勤 イラスト:石田可奈 [KADOKAWA 2017]

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