戦略は、立てればよいというものではない。
機能する戦略もあるし、そうでない戦略もある。では、良い戦略とはどのようなものか。それを本書は、悪い戦略との対比から考察していく。
本書で掲げられる「悪い目標」を私たちは日常的に目にするので、本当に苦笑してしまう。悪い目標は、空想的で困難な課題から背けながらも、何か形のあるものを生み出したような感覚を与えてくれる。あげく、対外的なアピールにも使える。だから、量産される。企業だけの話でもない。
本書は良い戦略作りの助力にもなるだろうが、それ以上に悪い戦略を選り分ける目も養ってくれるだろう。それは空疎な言説が踊り狂う現代で、非常に有用なはずだ。
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