数学と物理学がテーマだが、数式はあまり登場しない。出版業界のあのまことしやかな<法則>から考えても、この本の売り上げは安泰、というわけだ。
本書では「ハイゼンベルクの不確定性原理」「ゲーデルの不完全性定理」「アローの不可能性定理」の3つが紹介されている。いかにも小難しい響きがあるが、心配はいらない。数式の出現密度が低いだけでなく、身近な話を用いて、わかりやすく解説されている。
実生活にどれだけ役立つのかと言われれば、残念そうに首を横に振らざるを得ないのだが、実に魅力的なお話が繰り広げられている。この世界がどのようにできているのか。その理解こそが、教養へ至る道なのかもしれない。
Tags: