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『魔法密売人』(真坂マサル)

えっ、これ電撃文庫? と思ったのはたしかだ。

ダークファンタジーというか、ファンタジーもののピカレスクであり、これまでの電撃文庫のイメージとは違う。少なくとも、高校生以下向きの内容ではないだろう。いわゆる大人向けライトノベルレーベルから発売されいてもおかしくない雰囲気の作品である。

異世界に勇者やらニートやらが召喚される話はもはや珍しさはなく、むしろ一つのテンプレート(あるいはフォーマット)として成立しつつあるが、本作では極道(と書いてヤクザと読む)さんが召喚される話である。もはやこのあたりから、週刊ゴラクで連載されている雰囲気が漂ってくるが、実際本作にはほんわかした要素もギャグ成分もない。

とは言え、設定はなかなか面白い。魔法を使うための薬→魔薬と麻薬をひっかけたのは、言葉遊び的にも面白いし、異文化交流(異世界交流)的にも興味深い。

しかしまあ、全体的にグロいというかお子様向けではない描写があるので要注意である。

魔法密売人 極道、異世界を破滅へと導く (電撃文庫)
真坂マサル イラスト:巖本英利 [KADOKAWA 2017]

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