『魔法使いの嫁詩篇.108　魔術師の青 1巻』（ツクモイスオ）

「魔法使いの嫁」シリーズはかなりお気に入りなので、そのスピンオフらしい本作も気楽に手を伸ばした。原作の静かで美しく、そして冷たく温かい雰囲気がきれいに受け継がれている。

枠組みは似ている。異端の魔法使いと、人間。しかし性別は逆転しているし、魔法使いは陽気である。その辺のひねり具合が実にいい。

私が読み終えたコミックを妻が手に取ったらしく、「また三田誠さん？　スピンオフ好きだね」と言われたので慌てて確認したらたしかに原作が三田誠となっていた。Oh,まったく気がついていなかった。

三田誠と言えば、先日紹介した『ロード・エルメロイII世の事件簿』の作者でもある。さまざまな魔法が出てくるスピンオフ作品を書かせたらこの人の右に出る人はいないんじゃないか……というのは言い過ぎだろうと突っ込まれてしまうだろうが、それでもその手腕は見事だと思う。

『魔法使いの嫁」シリーズが好き、あるいは『ロード・エルメロイII世の事件簿』の雰囲気が好みというならば、本作もきっと楽しめるはずだ。

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