とうとう白の王が出てくるのかと思いきや、前哨戦的展開。苦戦するチームと、そこからの脱却。ストレートな構図で一つの伏線が回収された。しかも絡み合う伏線である。この辺は長く続いているシリーズならではだろう。
本巻で登場する敵は、これまでとは違いいかにも「敵」という感じが強い。それが物語の佳境を感じさせる。それはそれとして、途中、いささかチートくさいやり方でダンジョンを攻略しているのだが、まあ、緊急事態だから仕方がないだろう。この辺り、若干話の運びがテンポアップしている印象はある。
本巻では、名前の書き方に少し変化があって、それはこの物語の先行きを示しているのでもあろう。
川原 礫 イラスト:HIMA [KADOKAWA 2016]
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