どう言えばいいのだろうか。いや、悩むことはない。「徹頭徹尾ガルパンだった」。これで十分だろう。
テレビ版を受けての続編ということで、世界観についての説明はまったくない。「ねえ、みんな。テレビ版見てるからわかるでしょ」という感じで、さくさくと話が進んでいく。戦車、戦車、戦車。砲弾が飛び交い、キャタピラが唸る。画面が揺れ、音が炸裂する。
見終えて、まっさきに思ったのが、「ああ、ガルパンだった」というもの。お話自体は違うものの、テレビ版を見終えたのとまったく同じような感触を覚えた。唖然とするほどのファンタジーの中に、むしろシュールレアリズムのように放り込まれるリアリティ。誰も死なない平和な世界観。男子向け漫画のような苦境と友情ストーリー。どこを取ってもガルパンである。
そもそもテレビ版だって、「この世界はこういうもので」みたいな描写は最低限に抑えられている。「おい、お前ら、付いてこい」的な一種暴力的とも呼べる進行で物語は進んでいく。それを一度飲み込めば、待っているのは素晴らしいガルパン体験である。
だからそう、この劇場版も、徹頭徹尾ガルパンなのだ。
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