僕だけがいない街(8)（三部けい）

シリーズ最終巻。ついに終わりました。終わってしまいました。

最近私は漫画をほとんど買わなくなっているのですが、本シリーズだけは発売日に即買いしていました。それくらい面白い漫画です。

ただし、内容に触れるとどうしてもネタバレになってしまう作品でもあるので紹介が難しいところ。できれば事前情報を何も調べずに、第一話を読んでもらうのが一番でしょう。そうすれば、「どうなるんだろう？」感が目一杯楽しめるかと思います。

本シリーズを最初に読んだときは、ああ、よくあるあの系ね、と高をくくっていたのですが、急に話が大きく動き始め、物語が壮大になっていきます。それ自体が一つのサスペンスです。

最終巻となる本巻では、そのサスペンスが決着を見せるのですが、安心できるきれいな着地でした。妙なひねりはありません。作品自体が妙なひねりで満ちあふれているので、着地はぴしっと決めて欲しいなと思っていたところ、実に納得の終わり方。で、それを踏まえて一巻から読み直すとまた面白さが。これは『魔法少女まどか☆マギカ』でも感じたことです。いいですね、こういう作品。

シリーズが終わってしまって残念ではありますが、私のKindleにはまだ『僕だけがいない街　Another Record』が残っているので、それを次なる楽しみとしておきましょう。

三部けい[KADOKAWA / 角川書店 2016]