大きな物語の展開はない。予告編というか、布石を打つための回といった印象。
基本的にこのシリーズは、達也兄の無双っぷりを楽しむ作品なのだが、また新しい魔法を開発していて末恐ろしい限りである。世の中のバトルものはパワーインフレが起こりがちだが、本作ではただただ一方的に主人公が強くなっていく。そのあたりのカタルシスはまったくない。その代わり、それよりも上の、つまり戦闘ではなく戦術や戦略レベルでのやりとりはなかなか楽しめる。
佐島勤 イラスト:石田可奈[KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2016]
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