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ビジネス書を嫌いになっても……

新入社員になったとか、昇進して小難しい職務についたりとか、配置転換や転職で新しい仕事に手をつけたとか、なにかそういう事情でビジネス書を手に取られることって、結構あるように思います。

普段はあんまり読書とかしないんだけど、まあ、しゃーなしに、みたいな感じで。

まことに結構なことなのですが、ビジネス書みたいなものも、一定数読んでいると「ああ、こういうことか」って分かってきます。ビジネススキル系雑誌も一年経ったらだいたい同じ企画の繰り返しですからね。で、だんだんそういう情報がうっとうしくなってくる。うん、うん、わかります。

でも、そういうときに「もう、本なんか読まなくてもいーや」となるのではなく、何か別のジャンルの本を手にとっていただければと、強く強く願うのが私です。

そもそも一口にビジネス書といっても、その内実は多様です。

まず「経営書」と呼ばれる本があります。ドラッカーの本とかそうですね。さらに「自己啓発書」もあります。『7つの習慣』みたいな本を思い浮かべてください。さらに、さまざまな「仕事術」の本があり、ビジネス関連の知識をわかりやすく解説する本があります。

私は後者二つのようなタイプを「軽ビジネス書」と呼んでいます。ライトノベル、みたいなノリです。で、もっとも飽きが来やすいのがこのタイプの本でしょう。わかりやすく書かれている分、射程が短いのが特徴なのかもしれません。

次に自己啓発書で、最終的には「うん、やっぱりそうだね」の繰り返しになります。人生において大切なことって、そうそうバリエーションはないのです。だから、骨太の本を数冊読めば、あとはお腹いっぱいとなります。自己啓発研究家になりたいならともかく、そういう専門家を目指さないのであれば、一定量読めば充分でしょう。

で、「経営書」は時代時代によって、あるいは分析者によって視点が結構違っているので、複数読んでも充分楽しめます。だから、ここを掘り下げるのが一つのブランチポイントなのですが、「いや、俺別に経営とか興味ないし」みたいな人もいるでしょう。

そういうときは、二つのブランチポイントがあります。一つは「経済学」に足を伸ばす方向。もう一つは「心理学・行動経済学」に足を伸ばす方向。前者は、マーケティングについて、後者はプロモーションやセルフマネジメント、それにチームの運営に役立つ知見が見つかるでしょう。わかりやすくは書かれていないかもしれませんが、身のある知識をそこでは見つけられるはずです。

もちろん、それらのジャンルの本も、一定数読めばある程度お腹いっぱい感は出てきます。でも、嬉しいことにそれらの本からもまた別のブランチポイントがあるのです。

で、そうして本を漁っているうちに、気がつくことでしょう。どっぷり読書沼にはまり込んでいることを。

というわけで、ビジネス書を嫌いになっても、書店で他のジャンルの棚をぶらぶら歩くことはやめないでください。きっと、良い出会いが待っているはずです。

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