0

著編のマッチングサービスという妄想

NovelJamに感じた未来: かってに応援団

そうすると、編集者はただ選ぶ人ではなく、同時に選ばれる人にもなる。この人と組んだら、もっと自分の作品はよくなるんじゃないか、もっと売れるんじゃないか。そう作家に思わせる能力が求められる。

本が出るかどうかって、かなりの部分「運」だと思います。特にまだ著作がない人、著作はあってもネームバリューが少ない人ほどそうだと思います。

最終的に企画会議でGOサインをもらう必要があり、出版社ごとにその企画会議の基準点みたいなものは違ってくるでしょう。で、その前に編集者に「よし、これでいきましょう」と思ってもらう必要があり、もちろん編集者さんによってその判断点みたいなものは違ってくるでしょう。

ということは、Aという企画案があっときに、この日本にあまたいる編集者さんの中から、「よし、これでいきましょう」と思ってもらえる編集者さんに企画案を送り、しかもその案がたまたまフィットする企画会議を通り抜けなければならないわけです。これはもう、当たりくじが500本に一本くらしかないくじ引きを引くようなものではないでしょうか。大部分が運というわけです。めぐり合わせ、と言い換えてもいいかもしれません。
※『ハリーポッター』の原稿が、当初いろいろな出版社から断られたのは有名な話です。

もちろん、編集者さんだって、これはよいという企画案を思いついたとしても、この日本中にあまた存在する書き手候補の中から適切な人を見つけ出し、しかもその人に「よし、書きましょう」と頷いてもらわなければいけません。これはこれで大変な作業です。

ということを考えてみたときに、もし「企画第一主義」を取るならば、マッチングサービスみたいなものがあればいいんじゃないか、という気がします。片方に著者のリストがあり、もう片方に編集者のリストがある。それぞれがプロフィールを記入し、得意ジャンルだとか仕事履歴なども合わせて書きこんでおく。

で、「企画案」を思いついた人は、そうした情報を頼りに、適切な人を捜す。

これで、世の中の「企画案」はもっとスムーズに世に出るようになるのではないか、という気がしますが、はたしてそれが幸福なことなのかは、「企画第一主義」以外の視点をとってみないことには判断できないですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です