クラークの作品は、どれも印象深いものだが、本作のイマジネーションはすさまじい。ガンダムのその先、といったところだろうか。何を言っているのかわからないと思うが、読めばすぐさま腑に落ちるだろう。
ストーリーテリングも見事だ。オーボエの軽快なリズムに身を任せていたら、いつの間にかありとあらゆる管弦楽器と打楽器の嵐に見舞われる、というような精緻にコントロールされたオーケストラの演奏を思い起こさせる。
時間は、ありとあらゆるものをその背に乗せ、未だ見ぬ場所へと運び去っていく。SFの醍醐味ではないだろうか。
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