NovelJam 2018で生み出された作品。
冒頭は、ヨーロッパの草原的な場面から──「アルプスの少女ハイジ」をイメージしてもらうとよいだろう──始まるのだが、物語は急に変転し、とたんに寓話性を帯びてくる。茶色に染められたひつじとはなにか、そしてきいろい消しゴムとは一体なんなのか。ぜんぜんわからないが、わからないなりに物語は進んでいくし、奇妙な納得感もある。
寓話性が高い分、細かい描写はあまりないのだが、それでも妙に心にへばりつく作品である。
根木珠 編集:米田淳一 デザイン:杉浦昭太郎 [NPO法人日本独立作家同盟 2018]
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