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WRM 2016/08/15 第305号

WRM第305号が配信されました。

今回は、「はじめに」の一部をご紹介。


はじめましての方、はじめまして。
毎度おなじみの方、ありがとうございます。

8月9日に、電子書籍の新刊を出版しました。「月くら」計画の二年目、5冊目となります。

◇『ゼロから始めるセルパブ戦略』(倉下忠憲)

内容については、その「月くら」計画の実績と、そこから得られた教訓をまとめたもの。そこにセルフパブリッシング活動の展望についての考察が加えられています。セルフパブリッシングに興味がある方なら、面白く読める本になっている__はずです。

ご興味あればぜひ。

〜〜〜返済中〜〜〜

「月くら」計画は、一年目は毎月一冊電子書籍を発売し、二年目は二ヶ月に一冊電子書籍を発売する流れとなっていました。しかし、二年目の途中で大幅な遅延が発生し、今のところのその借筆を返済しているところです。

「まあいいいや」となかったことにすることもできなくはないのですが、そうしてしまうと私が面白くありません。とりあえず、二年目の最後を飾る6冊目を出版してから、三年目に突入する予定です。ちなみに、現在までの出版済ラインナップは以下。

『ブログを10年続けて、僕が考えたこと』
『書籍の解体とフラグメント・コンテンツ、氾濫するアメーバ・センテンスや、クリエイターのアイデンティティーと過ぎ去りし書店員の憂鬱、およびキュレーションの価値とホット化したメディアについての詩』
『知的生産とその技術 Classic10選』
『これから本を書く人への手紙』
『ゼロから始めるセルパブ戦略: ニッチ・ロングセール・オルタナティブ』

少し知的生産活動に寄っていますね。ということは、次号はもっと実用書寄りになる__かもしれません。

〜〜〜作業に集中できる時間〜〜〜

ここ数日は、せっせと『セルパブ戦略』の作業をしていました。

具体的には、原稿をEpub形式で書き出し、それをiPadのiBooksアプリで確認して、修正箇所をハイライト。通して読み終えたら、そのハイライト箇所を今度はScrivenerで手直しし、再び原稿をEpub形式で書き出して、の繰り返しです。

何回やったかはもう覚えていません。片手の指では、まあ、足りないでしょう(※)。ミディアムサイズとは言え、4万字以上の原稿を通して読むのですから、それなりに時間がかかります。で、それを日通し行っていたわけです。
※それでも誤字脱字が0にはなりませんでした。

さて、ここで気がついたことが二つあります。一つは、作業時間について。

基本的に、ゼロから文章を書き下ろすような作業は、一日に4〜5時間程度が限界です。それ以上は脳が焼き切れます(比喩的に)。しかし、上記のような修正作業は5時間どころか、8時間以上も続けられます。どちらの場合でも、文章について考えていることには違いないのですが、やはり作業の質が違うのでしょう。

もう一つは「プロジェクトミニタッチ」の挫折について。こちらは説明が必要でしょう。

以前からプロジェクトの進め方を模索していました。複数のプロジェクトの進め方です。

まず、主幹となる大きなプロジェクトを一日に2時間ほど進める。あと2時間はブログやメルマガの原稿。そして、残りの作業を細々とする中で、たとえ5分でも10分でも「次のプロジェクトを触っておく」。そうしておけば、そのとき進めている主幹プロジェクトが終了した際に、スムーズに次のプロジェクトを進めていける__のではないか、と考えていたわけです。

一見これはすごく合理的に思えます。で、実際に始めたときもそれなりには機能していました。しかし、いつしか続かなくなったのです。

なぜだろう?

と、ずっと考えていたのですが、ようやくわかりました。一つの執筆作業が終盤にさしかかると、一日中そのプロジェクトにかかりっきりになるのです。拘束されている時間の話ではありません。むしろ、それは結果として出てくるものです。かかりっきになるのは私の頭の中です。もう、その本のことばかりを、いや、それだけを考えるのです。

ちょっと時間があればiPadを取り出して、原稿を読みます。発売日の前の日は、妻とサイゼリヤに行って、オーダーを通してから料理が出てくるまでの時間ですら原稿を読んでいました(妻は特に文句を言いません。できた人です)。

タスク管理でそういうことを行っていたのではありません。気になって仕方がないのです。なにせ数日後には、それが商品としてローンチされるわけです。品質チェックは入念に行わなければなりません。こうなってくると、「プロジェクトミニタッチ」は入り込む隙間がありません。そんなことに頭の領域を割り振りたい気分ではないのです。

で、そうして途切れる期間が出てくると、習慣というのは形成されなくなるものなのです。だから、続かなかったのでしょう。

原因が推測できたので、対処も可能になります。ようは、はじめから途切れることを前提にシステムを組めばいいのです。執筆作業の終盤にさしかかったら、「プロジェクトミニタッチ」をいったん先送りして目に入らないようにし、リマインダーを設定しておく。これでばっちりなはずです。

まあ、やってみるまではわかりませんが。

〜〜〜シン・ゴジラ〜〜〜

映画『シン・ゴジラ』を観てきました。さっそく、二回目を観にいくかどうか悩んでいるところです。

本作は2016年どころか、2010年代の邦画を代表するのではないか、なんて個人的には思っています。ゴジラシリーズとかエヴァとかを知らなくても、十分楽しめると思うのですが、まあ、バイアスがかかっているのでなんとも言えません。その辺の評価は、じわじわと定まっていくでしょう。それをゆっくりと眺めたいと思います。

あと、テレビや雑誌が、この映画をどう評価し、どう扱うのか。その辺も気になっているところです。案外、テレビはあっさり無視するかもしれません。あるいは、一過性のものとして消費する可能性もあります。まあ、それも憶測でしかありませんが。

ちなみに、本作の面白さはとても言葉にしづらいのですが(名作の条件でもありますね)、だからといって、ネットでおなじみの

「シン・ゴジラはいいぞ」

で済ませてしまうのも何か違う気がしています。この言葉は、「本作の面白さが単純な言葉では表現できないこと」を単純に表現してはいるのですが、「ガルパンはいいぞ」と同じ文脈に乗ってしまう__なにせこの言葉のパクりです__点が気がかりです。もちろん、ガルパンも面白いわけですが、シン・ゴジラの面白さとはコンテキストが異なるでしょう。

こういうときに、新しい言葉を作り出すことが、一つの必要な仕事です。それを怠惰でやり過ごすと、現象そのものが歪曲してしまう可能性も、ゼロではないでしょう。

もちろん、私にアイデアがあるわけではありませんが。

〜〜〜Q〜〜〜

さて、今週のQ(キュー)です。正解のない単なる問いかけなので、頭のウォーミングアップ代わりでも考えてみてください。

Q. 今年の始めに立てた計画はどうなっているでしょうか。修正は効きそうですか。

では、メルマガ本編をスタートしましょう。

今週も「考える」コンテンツをお楽しみくださいませ。

目次

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2016/08/15 第305号の目次
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○BizArts 3rd 「第一章 第三節 リストの効能」
 タスク管理を掘り下げていく企画。まとめに入っています。

○SSS 「ロジカル&ノイズ」
 連載型ショートショート。情報社会的SFものです。

○あたらしい知的生産の技術 「知識の理解」
 週替わり連載。新しい時代の知的生産の技術について考えています。

○Rashitaの本棚 巴読み 「知的生産の技術と社会の変化 その4」
 Rashitaの本棚から一冊紹介するコーナー。新刊あり古本あり。

○物書きエッセイ 「ハングアップ対応」
 物を書くことや考えることについてのエッセイです。


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