どういう本か。
セルフパブリッシャーに「面白い作品を5つ(まで)挙げてください」とアンケートを採り、その集計結果からランキングを作った、という本。ランキング上位者のインタビューがあったり、アンケート結果がすべて掲載されていたりもする。ちなみに、私も答えている。
最後には「この本を読め〜!」というマクロス7並の熱さで、何人かが「推しパブ」についてコラムを書いている。目次は以下の通り。
- 第一回『このセルパブ!』ランキング発表
- ランキング上位者特別インタビュー
- 『このセルパブ!』アンケート結果(参加者33名)
- 「推しパブ」を押し付けるコラム集
- 編集後記
正直に言って、私はランキング結果にはあまり興味がない。私が一票を投じた『リーディング・ナイフ』も2位に入っていて、それはそれで嬉しかったのだが、それとこれとはまた別の話である。
私が思うに、「セルフパブリッシングが十分に浸透した世界」というのは、こうしてアンケートを採ったら、1位になるものが一つもない(あるいはすべてが同率1位)世界であろう。それぞれの人のニッチな心のツボを思う存分押してくれる多様な作品がごまんとある世界だ。
実際それに近い状況ではあると思う。アンケートの結果は、思った以上に割れていた。おそらく2017年にもう一度実施されていたら、さらにバラバラに散らばるのではないか。そして、それこそがセルフパブリッシングによるパブリッシング文化ではなかろうか。
実際、この投票を済ませた後に、いくつかセルパブ作品を読み、見事に面白かったので、今5つ選べと言われたら相当に悩むだろう。良し悪しでなく、好み・世界観・文体の好みなのだ。まるでフルカラーのパレットが用意されていて、そこから好きな色を選びなさいと言われている気すらしてしまう。
ともかく、本書を読んでみて気になった本はいくつか出てきた。それが本書の役割でもあろう。
私も、来年か再来年のこの本で名前が挙がるように、小説作品も意欲的に書いていきたいと思う。思っているだけで終わらないことを願いつつ。
▼公式サイト:
このセルフパブリッシングがすごい! | Official Website