WRM
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WRM 2017/07/17 第353号

さて、WRM353号が配信されました。

冒頭の「はじめに」を公開しております。


最近、部屋のレイアウト変更を行っています。暑いので原稿を書く気力が湧かないから、というのではなく(本当ですよ)、あまりにも本が増えすぎたため、本棚以外の場所にまで本が浸食してしまっているので(まるで腐海のようだ)、整理と気分転換もかねて、作業机やらの配置を見直しています。

で、今までは作業机+サイドテーブルのセット(L字に配置)を壁際にくっつけていたのですが、その場所を変え、向きも逆にしました。感覚的に言うと、テトリスのL字ブロックをくるっと逆に回したような感じです。それに伴って、机上のものも減らし、できるだけ広くスペースを使えるようにしました。

この新しい作業空間はなかなか快適なのですが、二つ具体的な問題が生じています。

まず、物忘れが頻繁に起きます。特に財布とモバイル用のwifi端末をよく忘れます。置き場所が変わったからです。普段出かける前に視線を送っていた場所に置いてあったものが、そうでない場所に配置変更になったため、手に取ることすら忘れて家を出ることが増えた、ということなのでしょう。この現象は、私たちが多くを「場所」(あるいは位置)で覚えていることを示唆します。

でもって、もう一つ、前のレイアウトであれば目に入っていた壁掛け時計がまったく目に入らなくなったので、段取りが悪くなりました。時間ぎりぎりになって、「あっ、もう出なきゃ」と気がつくことが増えたのです。

一応Macのメニューバー左部にも、デジタル式の時計は表示されているのですが、あまり目に入っていませんし、よく言われるようにデジタル式の時計は現在時刻を確認することはできても、時間の「幅」を感覚的に把握することができません。デジタルの12:43を見ても、「あとだいたい15分くらいで13時だな」ということがわかりにくいのです。

言い換えれば、アナログ式の時計は、俯瞰思考を促し、それが段取りにつながっていくのですが、デジタル式の時計にはそのような効果はありません(少なくとも、私には感じられません)。

こう考えてみると、やはり環境というのは大切だ、ということがわかります。人間が自由意志を持つかどうかはわかりませんが、たとえそれがあるにしても、環境からの影響を受けている部分は大量にありそうです。

〜〜〜httpsに移行〜〜〜

R-styleをhttpからhttpsに移行しました。

旧→http://rashita.net/blog/
新→https://rashita.net/blog/

まあ、それだけです。特に大きな変化はありませんので、これまでと同じように読んでいただけるかと思います。細かい設定の話については、またR-styleで書くかもしれません。

〜〜〜編集者という伴走者〜〜〜

本を書くことは難しい、みたいな話をこのメルマガでは何度も書いていますが、商業出版の本であれば、編集者さんという心強い味方がいます。文章や構成に関するアドバイスももらえますし、さらに言えば、途中の原稿に「いいですね。○○が面白いです」といったコメントをいただけたりもします。でもって、それが大きな励みになるのです。

執筆という長い旅路では、「正解」というものがどこかにあるわけではなく、常に著者はジャッジメントを迫られます。しかし、そのジャッジメントに対するフィードバックは(少なくとも最終的に届けたい読者からは)、本が完成するまでは返ってきません。これがジワジワと精神を締めつけてきます。「はたして、これで良いのだろうか」と。

ほんの少しでも、そしてたとえ身内目線であることを割り引いたとしても、「面白いです」と言ってもらえると、足場ができたような感じがします。穴の中を落下し続けているときに、ふわっと着地できたような気がしてくるのです。それを力にして、著者はまた筆を(あるいはテキストキャレットを)前に進めていくことができます。

その点、セルフパブリッシングは、全部自分でやることになるので、上記の現象についての解決策がありません。短い分量であれば、多少の苦しさも耐えられるかもしれませんが、長い本になればなるほど、「無酸素状態」が長期間続くことになるので、脱稿までの道のりは厳しくなります。

もちろん、そんな苦難をまったく感じない人もいるでしょうし、マッチョな考え方であれば、そういう人間こそが作家になるべきであって、そうでない軟弱者は筆を捨てろ、みたいな発言が飛び出てくることすらありそうですが、私はあまりに狭い考え方だと思います。人間というのは、基本的に弱い生き物なのです。

なので、何かしら途中の原稿まででも読んでもらって、「いいね」と言ってもらえるような仕組みを作ると、セルフパブリッシングはもう少し盛り上がるのではないか、という気がしています。

ちなみに、それほど活発ではありませんが、以下のFacebookグループは、そのような役割を一応は目指しています。

◇セルパブ実用書部会
https://www.facebook.com/groups/1437499359610679/

今のところ、意見交換や技術的問題の解決などが中心ですが、簡易レビュー的なものが相互でやりとりされるようになればいいなと考えております。

しかしながら、商業出版の場合、編集者さんなどに「これは面白いよ」と言ってもらえた後で、出版されることになるのですから、多少ネガティブなレビューがついても引き算で心への衝撃を緩和できますが、セルパブでバンっと本を出して、最初についたレビューが星1つで酷評されてしまったら、それはもうすさまじいダメージになるのではないか、というようなことを思いました。

〜〜〜売るために必要なこと〜〜〜

以下の記事を読みました。

米BookBaby、昨年秋に実施した電子書籍の個人作家向けアンケート調査レポートを公開 – hon.jp DayWatch https://hon.jp/news/1.0/0/11503

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 有力なSNS媒体としてはTwitter/Facebookと従来と変わらないが、やはり有名書評ブロガーへのレビュー要請、Amazon作品ページ上でレビューを増やすことが大事とのこと。また、作品数が多い作家ほど有利となっていることも明らかにされている。
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有力なSNS媒体として「Twitter/Facebook」があげられていますが、他に選択肢があるのかすら疑問ではあります。インスタと電子書籍はあまり相性が良くなさそうですし、Google+は、……まあ、いいでしょう。

で、「有名書評ブロガーへのレビュー要請」と「Amazon作品ページ上でレビューを増やすこと」は、やはり大切ですね。この辺はステマ問題も絡んできてしまうのですが、「著者本人がリーチできる範囲よりも外に告知すること」と「その本の面白さを著者以外の人間に語ってもらうこと」は大きな意味を持ちます。

だから、ダメもとで有名書評ブロガーに献本(献epubファイル)してみたり、本の最後のページに、「もしよろしければ、Amazonにて評価をお願いします」のような一文を入れてみたりするのは良い作戦かもしれません。スマートフォンのアプリであれば、うるさくならない程度に「Appleストアでレビューする? する?」と聞いてきたりするので、似たようなことが電子書籍であってもいいでしょう。

しかしながら、ゲーム系のアプリであれば、レビューしてくれたらアイテムをプレゼントみたいな「施策」ができるのですが、電子書籍でそれをやってしまうと限りなく黒色に近い灰色(というか多分アウト)になってしまうのが頭の痛い問題です。「この本のレビューを書いていただけたら、次作の購入金額を10%オフ」、というのはマーケティング的には結構良い気もするのですが、まあ、いろいろ難しい問題もありそうです。

で、最後の「作品数が多い作家ほど有利」なのですが、ちょっとバイアスが入っているというか、因果関係がはっきりしない部分はあります。作品数が多い=長く続けている、であり、長く続けられるほどの力がある=有利に見える、という可能性は捨てきれません。

たとえば、ゴミみたいな本をものすごく大量に登録すれば、それでも有利になるのでしょうか。もしそうだとしたら、Kindleストアはたいへんなことなってしまいそうですね。

という話は一応考えるとしても、やはり本の数が多い方が、販売に有利な面はあるでしょう。たくさんの本が存在していれば、そのうちのどれか一冊が誰かに届く確率が上がります。で、その一冊から著者芋づる方式に別の本へとつながっていく可能性もあるので、本は売れやすくなります。

自分を中心として、出している本の数はそれを取り囲む円の大きさと考えれば良いでしょう。円のサイズが大きくなれば、周りとの接点が増え、そこから中に引き込まれる人の数も増える。そういう構図です。

もちろん、そのためには円の中に引き込める本である必要があり、ゴミみたいな本を大量生産してもあまり意味はないわけですが。

〜〜〜

さて、今週号は「納涼特別号」と題しまして、通常の連載はお休みして、特別な記事2つと、Q&A1つをお送りします。「ええい、暑くてメルマガなんかチマチマ読んでられるか」という方は、今週号はまるっと飛ばしていただいても、通常の連載にはまったく影響ありませんので、ご安心を。

一つ目の記事は、ノートについて考えていることを断片的に書き連ねていくものです。新しくスタートした「ノート道の歩き方」の前日譚に位置づけられるかもしれません。

二つ目の記事は、読書メモです。ここ最近読んで、つらつらと考えたことを、本ごとにお送りします。Honkureというサイトで本については書いているから、まあいいか、と疎遠になっている本の紹介ですが、やはりメルマガならではで書きたいことはありますね。本の内容そのものというよりも、本の内容からどんなことを私が考えたのかを垣間見て、楽しんでいただければ幸いです。

では、今週はQ(キュー)もお休みして、本編へと参りましょう。

今週も「考える」コンテンツをお楽しみくださいませ。

目次

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2017/07/17 第353号の目次
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○ノートについての断章
 タスク管理を掘り下げていく企画。連載のまとめに入っています。

○今月の読書メモ
 最近読んだ本と、そこから考えたことを綴りました。

○Q&A 「ぼくが考えた最強のKindle」
 頂いた質問にお答えします。[質問は随時受け付けております]


メルマガにご興味ある方は、以下から詳細をどうぞ。

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