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『魔王の秘書 1』(鴨鍋かもつ)

復活した魔王にさらわれた秘書のお話、と聞くといかにも暗い話かいかにもR18な話の雰囲気が漂ってくるが、別段そういう感じは無い。

魔王軍も軍であり、それはつまり組織なのだから、組織的な問題っていろいろあるよね、というお話である。よく魔王が真剣に勇者を倒すつもりなら、こんな風にしているはず、みたいなネット談義が盛り上がるが、わりとストレートにそういう視点もある。その視点を提供しているのが、人間の秘書なのだから、これは笑えない。

自力で立場を獲得してきた人間にとっては、舞台はさほど重要ではない。そこで何をするのかが重要なのである、という話でもあるのだが、いかにもメガネをかけた秘書、という感じの彼女がむしろ人間世界にたいした希望を持っていなかった、ということが本作の裏側を走っている。

魔王の秘書 1 (アース・スターコミックス)
鴨鍋かもつ [アース・スター エンターテイメント 2017]

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