WRM
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WRM 2017/02/27 第333号

WRM333号が配信されました。

冒頭の「はじめに」を公開しております。


さて、いよいよ二月も終わりに近づいてきました。早足どころの話ではありません。疾走疾駆です。

あっという間すぎて、何も仕事をしていなかった錯覚すらありますが、一応ユーザインタビューにご協力した『いつでもどこでも書きたい人のためのScrivener for iPad&iPhone入門』が発売されたり、とあるセルフパブリッシング本の文章チェック(&構成案確認)のお手伝いなどもしており、まったく何もしていなかったわけではありませんが、やはり新刊がまだ完成していないことが、重しのように心に残っています。

ともあれ、地道に作業を続けるだけです。日差しが暖かくなり、散歩しやすくなってきたので、これからは作業も捗る……かもしれません。

〜〜〜春樹さんの新刊〜〜〜

2月24日に、村上春樹さんの新刊が発売となりました。

◇騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編
https://www.amazon.co.jp/dp/410353432X

◇騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編
https://www.amazon.co.jp/dp/4103534338

一瞬ライトノベルと勘違いしかねないタイトルですが、中身は……、えっと、これなんて表現したらいいんですかね。純文学? 普通の小説? 日本小説? う〜〜〜〜〜ん……、まあ、村上春樹さんの小説です、としておきましょう。これなら間違っていることだけはなさそうです。

本作では、新しい村上春樹ワールドが展開された、というよりは、これまでの世界観に重厚さが加わりながらも、それと同時に上善水のごとしのようなまろやかも生まれている、という印象を受けました。重厚かつまろやか、というのはよくわからないかと思いますが、読んでみれば体感されるでしょう。複雑性・重層感の出し方がこれまでよりスマートになっているのかもしれません。なにしろスルスル読めます。

私も発売日の朝から書店に駆け込み、そのまま夜まで一気に読み進めました。そんなことが可能な小説が存在する、ということ自体がすごいことでもあります。そこに何か力のあるものが存在している証左なのでしょう。

内容については、また時間を置いて詳しく書くかもしれません。

おそらく第3部も発売されると思うので、今から楽しみです。

〜〜〜ブルーオーシャンのジレンマ〜〜〜

競争相手がたくさん存在する市場を「レッドオーシャン」と呼びます。そこで生き残るのはたいへん難しいものです。逆に、競争相手が少なく悠々自適に過ごせる環境を「ブルーオーシャン」と呼びます。できれば、こちらで活動したいものです。

さて、レッドオーシャンでの活動はあまり儲かりません。しかしながら、レッドオーシャンに人を誘う人はなぜだか儲かります。「ほらほら、こっちが儲かりますよ。未来はこっちですよ」と誘う人は儲かるのです。

シミュレーションしてみましょう。

仮にブルーオーシャンがあったとします。そこでえらく儲けた人がいたとします。そこで、その人はすごく親切に、まったくの善意から、「ここはいいよ〜、穴場だよ〜〜、みんな集まれ〜〜」と情報を発信します。代価をもらうかもしれません。

もしその人の発信が「成功」すれば、その穴場にはたくさんの人が集まります。発信者の懐は確実に豊かになります。その代わり、その穴場にはたくさんの人が集まり、競争相手も増えます。つまり、情報発信の時点ではたしかにブルーオーシャンであったものが、その人の大々的な情報発信とその「成功」によって、そこがレッドオーシャンになってしまったのです。

発信者はもう懐が暖まっているので、別の場所に移動すればいいでしょう。レッドオーシャンに残された人は困惑するばかりです。「言ってたことと、違うじゃんかよ……」

どこにも悪意や計略が存在しないとしても、ブルーオーシャンだと思って訪れた場所がレッドオーシャンだった、ということは起こりえます。そして、人間には悪意や計略といったものが存在します。さあ、たいへんです。

つまり、最初の観察はむしろ逆なわけです。

どこかの場所に誘う人が儲かっている(=「成功」している)なら、その人が誘っている場所はもうレッドオーシャンになっているか、近々レッドオーシャンになる可能性が高い、ということです。

君子成功者に近寄らず。

〜〜〜虚栄心〜〜〜

自分がイライラしたときには、「いったい自分は何にそのイライラを感じているのか?」ということを探ってみるわけですが、ごくたま〜〜〜に、自分の中に虚栄心の残りカスみたいなものを見つけて、おもわず苦笑してしまいます。

アニメやヒーロー系の映画で、退役した軍人が、運悪く巻き込まれた騒動の中で再び拳銃を取り、その感覚に高揚を覚えながら、「ふっ、俺にもまだこんな気持ちが眠っていたなんてな」みたいなことをつぶやくシーンがありますが、あんな感じです。

正直に言って、地位や名誉、他者からの称賛のなどは(基本的には)どうでもいいことですし、それに拘るのはくだらないことだとも思っています。でも、そうした価値観を持っていても、やっぱり自分の中からそれを求める気持ちが出てくることはあるのです。

ある種の価値観を是とすることと、自分の心がその通りに機能することは(まったく違うとはまでは言わないまでも)それなりに違う話です。人が生きるということは、その違いになんとか折り合いをつけることなのだとも思います。

厄介なのは、ある種の価値観を是とすると、そうであることがデフォルトでありそうでない状態は「間違っている」と感じてしまうようになることです。折り合いをつけるのではなく、一方的に断罪する(あるいは極限まで無視する)ようになるのです。こうなると、生きること、言い換えれば自分が自分として存在することに辛さが生じます。なにせ「間違っている」のですから。

だから、境界線をしっかり引くことが大切だと思います。「あるべき」は「あるべき」として、「ある」は「ある」として受け入れること。それが人間として生きるちょっとしたコツです。

〜〜〜Q〜〜〜

さて、今週のQ(キュー)です。正解のない単なる問いかけなので、頭のストレッチ代わりにでも考えてみてください。

Q .生きる上でのちょっとしたコツをお持ちでしょうか?

では、メルマガ本編をスタートしましょう。

今週も「考える」コンテンツをお楽しみくださいませ。

目次

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2017/02/27 第333号の目次
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○BizArts 3rd 「第五章 第七節 ホームのロール」
 タスク管理を掘り下げていく企画。連載のまとめに入っています。

○でんでんコンバーターで電子書籍を作る vol.10
 でんでんコンバーターを使って電子書籍を作る方法を紹介していきます。

○エッセンシャルEvernote vol.14 「Evernoteのタイムライン性」
 週替わり連載。今週は、Evernoteについて深掘りです。

○カクウの一冊 『誰でも書けるデジタル作文技術』(倉下忠憲)
 新しい本の企画案についての一人ブレスト。

○物書きエッセイ 「リライトの難しい方向性」
 物を書くことや考えることについてのエッセイです。

○アイデア・パターン 010 「モノマネする」


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