WRM
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WRM 2017/01/09 第326号

WRM326号が配信されました。

今回は、「はじめに」をまるっとご紹介。


2016年の年末に『なんなの』というショートショートのアンソロジーが発売されました。私も一編だけ寄稿しております。

超短編アンソロジー なんなの(Amazon)

超短編アンソロジー なんなの 特設ページ(各ストア)

というか、すごいタイトルですね。なんなの? ってこちらから聞き返したくなります。

ちなみに、寄稿した「黒い箱」は、『夜のくもざる』並にシュールな作品ですので、ご興味ない方はあっさりスルーしてくださいませ。

〜〜〜■KDPの近況〜〜〜

2016年は、ブロガーさんによるセルフパブリッシング本がぽつぽつ発売された一年でした。しかも、実用書ではない(あるいは単純に実用書カテゴリには分類しにくい)本であったことが、私の中では強い印象として残っています。

もちろん、ブロガー全体から見れば、まだまだその数は小さいものでしょう。しかし、2013年の終わりに私が『KDPではじめる セルフパブリッシング』を出版したときと比べてみれば、ずいぶんその数は増えています。

2013年の終わりから、2016年の終わり。つまり、三年かかって、ようやく萌芽のいくつかが実を結び始めてきたような感触があります。では、この三年という期間を、どのように評価すればよいでしょうか。

遅すぎた? 時間がかかりすぎた?

たしかに、インターネットの高速な速度感からすれば__なにせ「かーそる」は半年とちょっとで生まれています__三年という年月はあまりにも遅く感じられます。しかし、新しい文化が生まれようとしているのですから、それくらい時間がかかってもおかしくはないでしょう。むしろ私たちの速度感そのものが、ネットによってちょっとおかしくなっている気すらしています。

『KDPではじめる セルフパブリッシング』では、「これをやれば儲かりますよ」という煽り方をしませんでした。そうするのがベストな選択だと思ったからです__ちなみに、何一つ嘘を書くことなく、セルパブを儲けられる手段として宣伝することは可能です。ようは材料の選び方なのです__。

もしも、金銭目当てのパブリッシングをたきつけていけば、もっと早い速度で、「ブロガーのセルパブ本」は増えていたでしょう。そして、今のブログやニュースメディアと同じ状況になったはずです。私としては、できるかぎりそういう状況は起こしたくありませんでした。二の舞にはなりたくなかったのです。

結果として、これだけの年月がかかってしまいました。でも、この火が絶えないのなら、少しずつであってもブロガー出版の流れは拡大していくでしょう。なぜなら、フォロワーが増えていくからです。

誰かひとりだけが何かをしていても、だいたいはそこで終わってしまいます。しかし、その誰かの動きをマネする(フォローする)人が出てくると、状況は変わります。別の人がさらにマネをし、その後に続いてさらに……と徐々に拡大していくのです。

物事を広めるのは先駆者ではありません。ファスト・フォロワーやセカンド・フォロワーが、物事を広めていくのです。

一つ、経験を書いておきましょう。

佐々木大輔さんが、「1000冊の本を紹介する」という企画をブログで始められたとき、私は「面白そうだな」と思って眺めていました。しかし、同じ企画をいしたにまさきさんが後追いでスタートされたときに、はじめて「そうか、これは自分もやっていいんだ」と思い至ったのです。ある瞬間までは完全に他人事だったのに、その瞬間いきなり自分事に変化したのです。

これがフォロワーのもたらす効果です。

たぶん、2016年に出版された本は、他のブロガーさんに、「そうか、これは自分もやっていいんだ」という感覚をもたらしたことでしょう。そのトリガーによって生まれた本は、さらに別のブロガーさんに、「そうか、これは自分もやっていんだ」という感覚をもたらすはずです。

そのようにして、行為は受け継がれ、広まっていきます。それを「文化」と私たちは呼びます。

〜〜〜■ツイートをまとめる〜〜〜

先々週号(324号)で書いたとおり、最近毎日一枚情報カードを書いて、Twitterにアップしていまます。

◇ポケット一つ原則 3

こうして書いていて思うのは、「情報カードだから書ける」ことがある、という感覚です。同じようなことをテキストエディタでできるかというと、なかなか厳しい気がします。なぜかというと、「広すぎる」のです。

自分の中に何かしらの着想や概念の断片が思い浮かんでいる。そのときに、テキストエディタをとりだすと、どうしてもそれを全体的に記述しようという心持ちが生まれてしまいます。しかし、その全体的な記述は、当然記入量が多く、頭を酷使しなければならないので、脳が二の足を踏むのです。「まあ、まとまった時間ができたらでいいか」と。

しかし、そのような時間は永久に訪れません。そのようにして、着想は消え去っていくのです。

逆に、一行だけをEvernoteに保存しておいても、後からそれを膨らませる動機付けが生まれにくいデメリットがあります。Evernoteは、1行だけのメモであっても、しっかりとノートとして保存してくれるので、ますます「後からでいいか」という気持ちが強まります。

情報カードに書ける文字数は、せいぜい3ツイート(140×3)程度。その文字数では、とても全体性を書ききることはできません。一つの感触を書き留めるくらいがせいぜいです。でも、その「せいぜいこれくらいしかできない」という気持ちが心理的な負荷を下げ、記入する気持ちを湧きやすくさせてくれます。

時間がないときは、とりあえず付箋に一行だけ書いて、情報カードに貼り付けておく。夕方以降の「特に今はまとまった文章は書きたくない」という気分のときにカードを取り出して、記述する。このやり方が非常にうまくいっています。

こう考えると、デジタルツールの中で一番情報カードに近いのは、実はTwitterなのでしょう。字数の制限があることは、私たちが思っているよりも重要で、その意味でテキストエディタは、機能過剰すぎるのです。

あるいは、こうした用途に最適化された特別なエディタを開発すればいいのかもしれません。あらかじめ設定した字数しか書けない、ウィンドウサイズが固定されたエディタを。

〜〜〜■突然やってきた連絡〜〜〜

R-styleに「お問い合わせ」ページを設置しました。

これまでずっと放置していたのですが、rashita.netの全体改修に合わせて設置しました。

面白いことに、設置したその日に、お問い合わせが一件届きました。まるでそれが設置されるのを待ち望んでいた誰かがいたかのようなタイミングですが、もちろんたまたまでしょう。とは言え、思うところはあります。

R-styleには、私のメールアドレスが公開されています。送ろうという意志さえあれば、誰でも「お問い合わせ」を送れる状況です。しかし、それだけではメールを送ることには心理的な敷居が発生するのだと想像できます。「もしかしたら、うっとうしがられるかもしれない」。そんな気持ちが湧き上がってきてもおかしくはありません。

そんなとき、サイト(ブログ)に「お問い合わせ」ページが設置してあれば、「そうか、この人はお問い合わせを受け付けているんだ」ということが、はっきりわかります。高い心理的障壁を乗り越えなくても、気軽に問い合わせを送れるのです。

単純な教訓としては、「お問い合わせ」をして欲しいなら、「お問い合わせ」ページを作ろう、となるわけですが、それとは別にこの話は上に書いた二つの話とリンクしています。

〜〜〜■Mediumのリストラクチャリング〜〜〜

Mediumが、組織の構造改革を行った、という記事をみかけました。

Renewing Medium’s focus

いろいろ思うところはありますが、ひと言だけ。「大丈夫なんでしょうか」

〜〜〜■ブログの週間投稿〜〜〜

1月2日から1月7日のR-styleの投稿は、意識してタスク管理系の話を集中投下しました。

『「目標」の研究』の販促目的が第一義なのですが、それとは別に2000字の記事一つだけでは「言い足りない」感覚が強まっているからでもあります。ただ、連載の形にしてしまうと、3回目あたりで(私が)飽きてくるので、いろいろな切り口で書くことを選択しました。これはうまくいったと思います。

でもってこの週に書いたことは、『「目標」の研究』の次のテーマである『「タスク」の研究』の布石ともなっています。私は三部作を構想していて、第一弾が『「目標」の研究』、第二弾が『「タスク」の研究』、第三弾が『「意志力」の研究』となっています。

まあ、いつ完成するのかはまったくわかりませんが、布石だけは敷いておこうと思います。

〜〜〜■シン・「月刊くらした」〜〜〜

98.241%くらいは冗談なんですが、最近、情報論や情報文化論についていろいろ思うところが多すぎるにも関わらず、それを書く(提出する)場所がないので、いっそのこと「月刊くらした」という雑誌を作って、そこで書こうかな、なんて気すらしています。

もう一度言いますが、ジョークです。

〜〜〜■未来予知〜〜〜

『文章を織る技術』

という本を、たぶん202x年に書きます。未来予知です。当たったら、拍手してください。

〜〜〜■Q〜〜〜

さて、今週のQ(キュー)です。正解のない単なる問いかけなので、頭のストレッチ代わりにでも考えてみてください。

Q. 202x年に起こりそうな出来事を予測してみてください(賞金は出ません)。

では、メルマガ本編をスタートしましょう。

今週も「考える」コンテンツをお楽しみくださいませ。

目次

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2017/01/09 第326号の目次
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○BizArts 3rd 「第四章 第四節 ログ保管時の注意点」
 タスク管理を掘り下げていく企画。連載のまとめに入っています。

○でんでんコンバーターで電子書籍を作る vol.3
 でんでんコンバーターを使って電子書籍を作る方法を紹介していきます。

○ノンマーケーター・マーケティング 「ひらくPCバッグ その4」
 週替わり連載。マーケターでない人のマーケティング話です。

○Rashitaの本棚 『乱読のセレンディピティ』(外山 滋比古)
 Rashitaの本棚から一冊紹介するコーナー。新刊あり古本あり。

○物書きエッセイ 「本を書くときに必要なもの」
 物を書くことや考えることについてのエッセイです。

○アイデアパターン 003


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