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アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』

アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』公式サイト

通称「このすば」。角川スニーカー文庫で刊行されていて、元々は「小説家になろう」にて「自宅警備兵」名義で連載されていたオンライン小説とのこと。とりあえず、原作はまったく知らないままでアニメに臨んだ。

最初観たときは、よくある「異世界もの」だと思った。主人公が異世界に転成する。で、強力な力を用いて悪しき怪物たちを次々に……という雰囲気が途中からがたがたと崩れていく。むしろ本作はそうした「異世界もの」作品をメタ的に扱っている。

よって、本作は冒険ものでもないし、あんまり世界も救わない。もしかしたらその意気込みはあるのかもしれないが、いろいろ付いてきていない。そんな残念な冒険者たちのストーリーである。

主人公のカズマは頭は回るが基本的にゲスい。女神のアクアは、ニコニコ動画で「駄女神」のタグ__なかなか優秀なタグだ__が付くぐらいダメである。実力はあるが、セルフマネジメント力が大いに欠落している。高位の魔法使いであるめぐみんは、最強の魔法を行使するが、それを打つとしばらく動けなくなる。あげくにそれ以外の魔法が使えない。強力な剣士のダクネスは、やたら打たれ強いが攻撃の命中率はからっきしである。そしてドMだ。

よくもまあ、こんなキャラクターを設定したよな、とあきれたくなるが、なんとなくうまくパーティーができあがっているからたいしたものである。ちなみに、ニコニコ動画だとめぐみんが人気だったようだ。わからないではない。

ちなみに、アクアの声を当てているのは、普段はまっすぐな美少女役が多い雨宮天で、見事にダメな女神を演じていた。めぐみん役は高橋李依で、言うまでもなくキュアミラクルである。最終回では、キュアマジカル役の堀江由衣が声を当てるウィズと二人して魔法を打っていた。これ、絶対狙ってるよね、と突っ込まずにはいられない配役である。

どMのダクネスはかやのんこと茅野愛衣で、結構ヤバイ台詞が飛び交っているのを「ちょっとは仕事を選ぼうよ」と思ってみていたのだが、『緋弾のアリアAA』の佐々木志乃もかなりヤバい感じだったので、案外マッチしているのかもしれない。というか実際ハマっていたように思う。

以上のように、個人的には声優さんがなかなか良かったのだが、福島潤演じるカズマの、心底疲れたようなツッコミ(ときどきアドリブ風)が、作品を引き締めていた(というと少々大げさだが)ようにも感じる。この辺りのバランスは見事だ。

あと絵作りも良かった。途中にオンラインRPGをやっているような感じで「クエスト」が発生し、主人公らがそれに挑戦する。しかし、なにせ残念なメンバーたちである。一筋縄ではいかない。基本的にそのギャグを楽しむアニメだ。シリアスなシーンが出てきても、だいたいどこかでオチがつく。シリアスに行きすぎないし、かといってギャグだけでもない。その奇妙なテイストに一度慣れてしまうと、ついつい最後まで観てしまう作品だ。

ちなみにアニメは2016年1月〜3月で第一期が終わっているが、第二期制作は決定しているとのこと。

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